卒論が国際学会ICCV2019に採択されたのでソウルに行ってきた

はじめに

はじめまして.私は機械学習や画像認識を研究している修士1年の大学院生です.今年のはじめに卒論の内容で論文を執筆し,画像解析の国際学会であるICCV2019に投稿したところ採択され,先日ソウルで開催された学会に参加してきました.非常に刺激的な経験でしたのでその内容を何かの形でまとめておきたいと考えこの記事を執筆しています.

ここでは学会に行く直前の準備段階から学会期間の経験を書かせていただきます.またICCV2019の概要や論文まとめ等の記事はきっと他の方が執筆されることと思いますので,この記事では初めて学会に参加した際の印象や感じたことを主観的に書いていこうと思います.

ICCV2019とは

ICCV(International Conference on Computer Vision)はCVPR, ECCVと並び画像認識分野の世界三大国際会議と言われています.内容は画像や動画,3次元モデルなどVisionに関連するものを幅広く扱っており,近年の深層学習やAIブームによって参加者,論文投稿数は爆発的に増加しています.2年に一度会場を変えながら開催されており,今回は10/27〜11/2に韓国・ソウルで開催されました.

iccv2019.thecvf.com

参加者は約7500人で前回のICCV2017のおよそ2.4倍でした.韓国開催であることもあり参加者は中国,韓国からが多く(アメリカも多い),日本からも260人が参加していたとのことです.

論文投稿数はおよそ4300本(多い!!)でそのうち1075本が本会議に採択されました.日本からの採択数はおよそ20本ほどで米中に比べるとかなり少ない印象でした.日本から修士1年(またはそれ以下)で論文が採択された人は私以外にいなかったのではないかと思います.

会議は10/27, 28と11/2にWorkshop, Tutorialが行われ,10/29から11/1に本会議が行われました.本会議では採択された論文の発表が行われます.一方WorkhsopとTutorialはある特定のトピックに関する会議で,著名な研究者による講演が行われたり,本会議とは別に論文の発表が行われたりします.(詳細は各項目で改めて説明します.)私は11/1に本会議でポスター発表が割り当てられていました.

学会に行くまで

私がICCVに論文を投稿したのは2019年3月下旬です.卒論の試問が2月の中頃にあり,そこから1ヶ月ほどで実験の追加や論文の英語での書き直しを行いました.その後6月にreview(査読者からのコメント)とrebuttal(reviewに対する著者からの説明・反論)を経て,7月末にめでたく採択のメールが届きました.英語はおろか日本語で論文を書いたのもこのときが初めてでしたので,それが採択されたのは非常に幸運なことだったと思います.(論文執筆時のあれこれも余裕があれば記事にするかもしれません.)

採択が決まったら

採択され学会に行くことが決まったらまずしなければならないことは学会の参加登録とホテル,航空券の予約です.特にホテルの予約は熾烈で,参加者が多いため学会から斡旋される公式のホテルはすぐ埋まってしまいます.私もすぐに申し込んだにも関わらず満室による二度の予約変更を余儀なくされました.結果的には何とか会場から徒歩圏内にあるホテルを予約することができましたが,申し込みが遅れていたら遠くて割高な場所に宿泊することになっていたと思います.

今回は開催地がソウルでしたので渡航の手配などは比較的スムーズでした.また心強いことに私の所属する研究室からは私を含め3人の論文が採択されていましたので,3人で協力しながら準備を進めたり当日会場を巡ったりすることができました.さらに諸経費は基本的に研究室に負担していただけるため,お金の心配をすることなく学会に参加することができました(ありがたい).

英語の壁

さて,国際学会に行くにあたり私がもっとも不安に感じていたのは英語です.国際学会では発表や質疑応答のやりとりはもちろん英語で行われます.私は英語の試験では一般に言われる「ビジネスレベルの英語能力」の基準は満たしていたものの,英会話を聞き取る能力には自信がありませんでした.実際の会話は試験のリスニング等と比べてスピードが速く言い回しも多様ですが,私は海外留学はおろか外国の方とまともに会話した経験もほとんどなかったので,発表者や質問者の英語の英語を聞き取ることができないのではないかと感じていたのです.

英語のリスニング力を伸ばそうと参考書の候補もいくつか考えましたが,試験英語と実際に話される英語にやや乖離を感じていたこと,英語による発表を聞くという目的があることから,その状況に一番近そうなTEDを活用することにしました.具体的には,学会までの間余裕のある日に3〜4分の短めのトークを1日1時間ほどリスニングしていました.勉強法としてはよくあるリスニング→意味理解→シャドーイングの流れです.結果的に英語力が向上したかは分かりませんが,生きた英語を聞く練習にはなったと思っています.(学会に関係なく英語力は伸ばしたいので,今後も勉強を続けていこうと思っています.)

www.ted.com

ポスターの製作

学会1ヶ月ほど前になると,発表のためのポスター制作を始めました.ポスターとは会場で発表者が発表するときに貼る,研究内容をまとめたおよそ縦1m・横2mの用紙です.当然私はポスターを制作するのも初めてでしたので全く仕様がわからなかったのですが,基本的には研究室の先輩が過去に作っていたものを参考にしました.論文の著者がWeb上にポスターをあげている場合もありますのでそれを参考にするのも手ですが,フォーマットは自由なので最も内容が伝わりやすいと思う形で書くのがよいと思います.(後述しますが実際に学会でポスターを眺めてみて良いポスターとは何かを考えさせられました.)

学会直前までポスター制作以外はこれといった発表準備はしていませんでした.開催が近くなると学会公式から色々な案内や確認のメールが来るようになるのでそれをチェックしておく必要があります.

ソウルに着いてから

ついに渡航の日がやってきました.私は同じ研究室の3人と学会の前日にソウルに到着しました.成田から仁川は2〜3時間ほどで到着し,気候や街の雰囲気も近いのでかなり快適に過ごすことができました.ハングルは読めませんが観光地付近には日本語の案内があったり日本語がわかる店員さんがいたりするので意思疎通はある程度問題なく行えました.市街地の店員さんとは簡単な英語でのコミュニケーションもできました.

学会の会場はcoex mallという場所で,「カンナムスタイル」でお馴染みのソウル・江南区の中心部にあります.会場の地下には巨大なショッピングモールがあり,周辺にもカフェがいくつもあるような繁華街でした.

www.youtube.com

www.travelbook.co.jp

学会に来てから

私が到着した翌日から学会が始まりました.会場に着いてまずすべきことはRegistration(参加登録)です.受付に向かうと当日の朝は登録待ちの長蛇の列ができていました.登録すると自分の名前が書かれたネームカードがもらえます.また登録デスクの横ではICCV2019限定Tシャツを配布していたので記念にもらいました(発表当日もそのTシャツを着て発表しました).

学会期間中は食事は特に出ず,昼食はcoex mallの地下のレストラン街や周辺の店で食べるように言われました.その代わり午前中と昼過ぎには会場内でコーヒーやフルーツ,ヨーグルト,パンなどの軽食が置かれ自由に食べることができました.学会期間の後半は朝食を食べるのが面倒になったので,朝は会場で振舞われるヨーグルトを食べていました.

さらに,本会議の初日の夜にはReception, 2日目の夜にはBanquetと呼ばれる歓迎パーティーが開催され,豪華な料理が振舞われたりステージで韓国芸能の舞台発表が披露されれたりしていました.こういった場では本来は他の研究者の方との交流を深めるものなのでしょうが,私にとって海外の研究者の方と打ち解けた会話をするのはハードルが高かったので,日本人の方を見つけて少しお話したりしていました.

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Banquetの様子.もはやライブ会場のようです.

Workshop, Tutorial

前振りが長かったですが,ここから記事のメインとなる会議の内容です.

WorkshopとTutorialは本会議の前後,10/27, 28と11/2に開催されました.

Workshop・Tutorialは,ある決まったテーマについての小規模な会議のことで,異なるトピックについて1日あたり20個近くの会議が開催されています.半日または一日中行われているので,参加者は興味のあるトピックの会議を回って聞くことができます.部屋のサイズは大きめの会議室といった感じで,比較的和やかな雰囲気で行われます.

Workshopでは招待スピーカーの講演が行われたり,本会議とは別で独自に論文投稿を受け付けて査読したものの発表が行われたりします.具体的には1時間ほどの招待講演が何本か,Workshop用に採択された論文の口頭での発表が何本か,加えて採択された論文のPoster発表が行われるといった内容です.

Tutorialでは論文の発表はなく,主催者やゲストスピーカーの講演が続きます.私はたまたまWorkshopにしか参加しなかったので詳しいことはわかりません.

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Workshopでの講演の様子.

ICCV2019で開かれていたトピックはほぼすべての分野で50種類以上ありました.私が参加したトピックは

  • Few-shot, Zero-shot learning
  • Medical image
  • Autonomous driving
  • Scene Graph
  • Hand detection
  • Transfer learning, Domain adaptation

などです.

感想

まずは全体の規模感に驚きました.様々なトピックの会議が1日に20近く開催されているのでどれを見に行くか迷いました.たくさんのトピックを少しずつ見ようとすると結局どのトピックの理解もあまり深まらなかったので,個人的には一日1〜3トピックをじっくり見るのがいいのではと思います.

ゲストスピーカーの講演内容は基本的にその人や研究室の研究紹介でした.しかし中にはそのトピックの入門的な部分を丁寧に質問してくれるものもありました.私が参加した中だとシーングラフに関するワークショップの説明が非常に丁寧で,ほとんど前提知識のなかった私でも学ぶことが多くありました.

また過去に自分が読んだことのある論文著者が講演をしていることもしばしばあります.個人的には過去に再現実装したことのあるPolygon-RNN(https://arxiv.org/abs/1704.05548)の著者の講演にたまたま出会って驚きました.事前に詳しいワークショップの内容は公表されるので,目当ての講演者がいれば発表を聞きにいくのがいいと思います.

論文発表では,本会議に採択されてもおかしくないレベルのものが多い印象を受けました.Workshopでもポスター発表が行われるので気になった論文の著者と議論することができます.ただ,とても熱心な発表者がいる一方ポスターも貼っていないような枠があるなど,発表者の熱量には差があると感じました.私としてはWorkshopではPoster発表よりもゲスト講演の方が面白かったです.

本会議

10/29から11/1にかけては本会議が行われました.本会議は2種類の発表,Oral(口頭)発表とPoster発表からなります.Oral発表では幕張メッセのような巨大なホールで著者がステージに立ち,スライドを使った5分間のプレゼンをします.Oral発表は数が少なく,査読者から特に評価された論文が選ばれます.Poster発表ではこれまた巨大なホールに各論文のポスターが並べられ,聞き手は自由に回りながら興味がある論文を見に行き説明を聞くことができます.Poster発表の時間は2時間半でした.

Oral発表とPoster発表を1セットとして,1日に2セットが行われます.4日間あるので合計7セットです(1枠分はお休み).それぞれの枠でOralが2会場に分かれて計40本,Posterは150本ほどあります.すごい量の論文ですね.

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Oral発表の様子.会場は幕張メッセパシフィコ横浜くらいあります.

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Poster発表の様子.かなり混雑しています.

またポスター会場の横には世界の名だたるIT企業のブースがおそらく50ほど並び,会社で行なっている画像関連の研究開発の紹介を行なっていました.企業によっては参加者が体験できるようなコーナーを設けていたり,アンケートに答えると小物がもらえたりするブースもありました.私も楽しくなって色々小物をもらってしまいました.これが日本企業だったら就活が捗りそうだなと思ったりもしました(?)

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企業ブース.GoogleUberなどが見えます.

感想

本会議が始まるとWorkshopのときよりも人が増え,雰囲気もより盛り上がりを見せていると感じました.Oral発表は2会場平行で行われていたので片方しか見ることができませんでしたが,毎回興味のある方を聞きに行きました.5分という発表時間の制約もあって発表者は大抵早口で,喋っている事はあまり聞き取れなかったのですが,皆スライドがとても丁寧に作られていたので基本的にはスライドを見て理解していました.何もしないと忘れてしまうので全ての発表について簡単にメモを取りながら聞いていました.Oral発表の論文はその後Posterでも発表されるので,Oralでわからない事は改めてPosterを見に行っていました.

Poster発表はとにかく数が多かったです.1つの時間帯(2時間半)で150本の論文が展示されるのでとても全てを理解することはできません.私の場合はまずOral発表のPosterに行ってわからなかった部分を解決し,その後他のポスターをざっと見て興味のあるところへ話を聞きに行くようにしていました.

このとき自分の中の目標として「最低でも1日3つくらいは著者に質問しよう」というのを決めていました.ポスターを見ればある程度理解できることもありますが,どちらかというと自分の発表に備えて英語力を向上させるために質問をしていた感じです.とはいえ質問を英語で正確に伝えるのは簡単ではないので,まずは一言で簡単に質問することから始めました(例:What is the function of this module?).始めは自分の意図がなかなか伝わっていないように感じましたが,慣れてくると質問の中で発表者と会話ができるようになりました.自分が疑問に思っていた点を会話の中で実際に解決できたときは素直に嬉しかったです.このような質疑応答を重ねることで実際に自分が発表するときの自信にもなりました.

そして自分の発表

いよいよ自分の発表の時がやってきました.

紹介が遅れましたが,私の研究で扱っているのは病理画像という細胞組織画像中の異常領域の自動診断です.具体的な内容はぜひ論文を見てください.

arxiv.org

私の発表枠は11/1の午後のPoster発表,つまり本会議の最後の枠です.発表時間が最後でよかったことはそれまでに他の発表をたくさん見て発表の雰囲気がなんとなくわかっていたこと,悪かったことは最後の最後まで安心できなかったことです.

発表の準備としては,学会期間中の夜に一緒に宿泊している研究室のメンバーと英語による発表と質問のデモンストレーションをしていました.その際出た質問がそのまま当日に役立つこともあったので,余裕があれば事前にそのような練習をしておくことをおすすめします.また「あなたの研究の概要を説明して」と聞き手に求められた時のために,3分ほどで研究の概要を説明する練習をしておきました.

そして当日.あらかじめポスターを貼る場所の番号が与えられているため,開始時刻の30分前に会場へポスターを貼りに行きました.いざ会場にポスターが貼られてみると感動しますね.

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貼られたポスター.自分の研究がICCVに披露された瞬間です.

無事ポスターを貼り終えると,まだ30分前にも関わらず早めに来ていた参加者から質問を受けました.説明をしていると他の人も数人集まってきてしまい事実上発表が開始,結局そこから3時間ほど発表を続けました.私の持ち場は会場の端のほうで,さらに医療系というICCVではやや特殊なトピックだったため聞きにきてくれる人がいるかどうか心配でしたが,たくさんの人が足を止めて写真をとってくれたり,興味を持って熱心に質問してくれたりしてとても充実していました.

危惧していた英語ですがそこまで困ることなくほとんどの質問に答えることができたと思っています.ポスターの前で聞き手とコミュニケーションを取れるのもあって,わからない部分は聞き直すことができましたし,相手も私に気を遣ってわかりやすく話してくれていたのかもしれません.また参加者に中国や韓国系の方が多かったので比較的日本人に聞き取りやすい英語だったのもあるかもしれません.何はともあれ自分の研究内容を相手に伝えることができました.質問してくれた人が「なるほど!」という顔で聞いてくれた時は嬉しかったです.また「自分も同じ病理画像を扱っているんだけど」といって興味を持ってくれた人が複数人いたのには驚きました(名刺をもらったりもしました).

そのようにして気づけば終了時刻となり無事発表を終えることができました.その日の夜はもうお腹を壊す心配がなくなったので達成感とともにユッケを食べに行きました.

思ったことまとめ

このようにして無事学会を終えて帰ってきたわけですが,最後に私が感じたことをいくつかまとめたいと思います.

学会で目指していたこと

学会の最大の目的は自分の研究のPoster発表でした.これに関しては想定していた以上にしっかりと自分の説明を相手に伝えることができたので,概ねうまく行ったと感じています.それ以外の目標としては

  • 英語でコミュニケーションをすること
  • 学会の雰囲気を知ること
  • 新たな研究の知見を持ち帰ること

などがありましたが,いずれも満足できるくらいには達成できました.

英語でのコミュニケーション

Poster発表では質問を3個することを目標にしていたと言いましたが,実際に質問をしてみて意外と英語で自分の意図って伝わるんだということが実感できました.学会会場に限らずホテルやレストラン,コンビニ等でも必然的に英語を話す機会がありましたが,何とか意思疎通することができ「英語ができれば世界中どこでも生きていけるんだな」と感じました(海外旅行すれば誰でも言えそうな感想ですみません).

学会に来る意義

学会中に私が考えていたのは,「学会の論文をチェックしようと思えばネットで探せば出てくるのに,それでも学会に来る意味は何だろう」というものです.もちろん私には論文発表をするという明確な仕事があったわけですが,聞き手としても学会に来るメリットを活かしたいと思っていました.

まず理由として浮かぶのは「論文著者に疑問点を質問したり議論したりできること」です.事前に論文を読んでいれば,そのときの疑問点を直接質問できることには大きな価値があります.またWorkshopなどで有名な研究者の話を直接聞けることもメリットの1つでしょう.

さらに私は,学会に来ると"論文"ではなく"著者"と出会えるのが大きなメリットだと感じました.今回私にとって周りにいる参加者は当然知らない人ばかりでしたが,もし研究者になって毎年のように学会に来ることになれば,自分の専門と同じ分野の研究者と知り合いになり,近況報告や議論をすることができるでしょう.このように,論文の中身とともに「誰が書いたか」を意識するようになることが学会の面白さだと思いました.

また膨大な数の論文に出会えるのも学会のメリットだと感じました.研究室で研究していると自分で調べない限り論文に出会えないので,狭い範囲の研究しか知らない状況に陥りがちです.学会会場では常に100以上の研究が貼られているので,普段出会わないような研究をたまたま見つけて興味を持つことがあります.ICCVのような質の高い学会であればなおさらその機会は貴重です.

具体的な研究のアイデアや手法を持ち帰ることも大切ですが,大量の研究や発表を眺めることで,どのような研究が流行っているのか,どのような発表が興味を惹かれるのかを何となく感じ取ることができた気がします.学会に行ったことがあるのとないのでは,研究のテーマや進め方を考える際にかなり取り組みやすさが変わってくるのではないかと思いました.

分かりやすい発表とは

たくさんの研究発表を見て知見が深まったと言いましたが,大量に並んでいる研究を理解するのは簡単ではありません.特に専門分野以外の研究となると,その研究の何が新しいのかわからず,私にとっては全て似たような研究に思えることがありました.全部で1000本もあると「さっきも見たような論文だな」と思うことも正直ありました.

このような中で相手に自分の論文の良さを伝えるには,その伝え方が重要になってきます.私が興味を惹かれたポスター発表は以下のようなものでした.

  • 研究の目的と対象が最初に書いてある
  • 新規性や貢献ポイントが最初に書いてある
  • 図を見ただけでやっていることがある程度わかる
  • 説明文が簡単な英語で書いてあって読みやすい
  • 発表者が丁寧に説明してくれる
  • 発表者に聞き手とコミュニケーションを取ろうという意思がある

要するに,1分くらい見れば何をしているかわかるポスター&発表者の熱心な説明です.このように書き起こしてみると当たり前のことしか書いていないのですが,いい発表が何かを身をもって感じられたのは非常によい経験でした.一度学会を経験しているか否かで発表準備のやりやすさも変わってくると感じました.

また他の1000本の論文に埋もれず自分の成果を発信するためには,この研究が自分にしかできないことなんだという自信を持って発表することが重要なのではないかとも感じました.

まとめ

1週間の学会に参加して,非常に得るものが大きかったです.今後もこういった発表の場に来れるような研究をしたいと感じましたし,この中で「自分の研究はすごいんだ」と自信を持てるような研究ができたらいいと思いました.私は今絶賛就活中ですが,これから就職活動も研究もより一層頑張っていきたいと思います.